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③ビジネスコラボレーション支援サービス 「構想段階」
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グローバリゼーション3.0時代を生き抜く鍵は次の3つです。
ⅰ)自社のビジネスを消費者視点で再編成すること
本当に消費者のことを考え、貢献する企業が生き残ります。インターネットの普及に伴って、消費者が企業と同等の知恵を持つようになりました。騙す企業・隠す企業・既得権益にしがみつく企業はいずれ淘汰されます。
ⅱ)グローバルサプライチェーンを最大限に活用するオンリーワン企業になること
競争のルールはこの10年で劇的に変わりました。高度な知恵はインドから全世界へ輸出されますし、中レベル以下の技術を元にした製品は中国から全世界へと輸出されます。世界は猛スピードで単一の市場になる方向に動いています。中途半端な強みしか持たない企業は
ビジネスの競争のルールはこの10年間で劇的に変わりました。今までは企業は、その企業が属している業界で同種の企業を相手に同じ土俵で戦っていましたが、今後は、業界や国境を越えて異種の企業と戦いをしなければならなくなって来ました。
上流から下流まで一社で完結させる垂直統合型が主だったバリューチェーンも、新たな勢力によって分解され、破壊され、産業突然死といった現象が起こる時代になりました。
例えば、PC市場は、70年代~80年代にかけてアップルコンピュータ(垂直統合型)が創出し、IBMがそのバリューチェーンを分解し、Dellがバリューチェーンをぶっ壊したのですが、このような劇的な変化がわずか20年の間に起こる時代になってきたのです。
これは、ハイテク産業のみならず、オールドエコノミー産業においても起こる現象で、デジタルカメラが台頭することで、従来型のカメラ・フィルム・現像といったバリューチェーンは破壊されました。
企業は時代を先読みし、変化しなければ生き残れない時代になりました。そしてますます早い変化が求められる時代がやってきました。このことは誰しもが分かっていると思います。しかし、今までのルールを捨てることは難しい。過去の成功体験を捨てられますか?上司を否定できますか?減点主義の日本の企業社会において家族を背負った人間のうちどれだけの人間がリスクを取れますか?
大きな組織には出来ないことがあります。稀に非常に優秀な経営者が大きな組織を改革することはあるでしょう。GEにおけるウェルチ、IBMにおけるガースナー、日産におけるゴーン、これらの物語は非常に魅力的です。興味を引きます。しかし、これらはレアケースであって、現実的には“変わる”ということは非常に難しい。
じゃぁベンチャーか?ベンチャー企業は経営資源が決定的に足りません。そして、日本はアメリカとは違って、大企業志向が強いため、優秀な人間がベンチャーには集まりません。
どのようなビジネスにも、いくつかのプロセスがあります。当然、強いプロセスもあれば、弱いプロセスもあります。そして、どのプロセスも互いに密接に関係しあっています。さて、どのプロセスを強化すれば最も投資効率が良いでしょうか?
経営者は常にこの問いを発していると思いますが、答えは、最も弱いプロセスとなります。
実は、プロセスの繋がりはチェーン(鎖)に喩えることができ、ビジネスの収益はこのチェーン(鎖)の最も弱い部分によって決まってくるのです。鎖をイメージしてみて下さい。一つの鎖が弱ければ、引っ張った場合、ブチっとそこで切れますよね。この、ブチっと切れるところこそ強化すべきところなのです。
しかし、現実には、各部門に予算が割り振られて、あるいは予算を奪い合って、各々のプロセスの担当者は自分の守備範囲のみを重要視し、プロセスの強化を行っています。これが部分最適の弊害で、強いところをそれ以上強くしても収益は上がらないのに、必死に頑張っています。
これは根性論以外のナニモノでもなくて、科学的に見た場合非常に滑稽なことなのですが、評価基準も部分最適になっているため、例えば、一定水準の品質のサービスが提供できる数は10しかないのに、営業が15も仕事を取ってきちゃって、5のお客さんからはクレームの嵐というような
意外かもしれませんが、TOC理論を学ぶとここら辺のことが良く分かるようになると思います。
であれば、まず最初に一番弱い部分を強化すべきです。そして、企業に数多く発生している問題が20個あったとしても、そのうちの90%は1つ~3つのコアな問題によって引き起こされている。
知恵の泉① TOC理論サマリー
TOC関連書籍は多数出版されていますが、各々の著者が部分最適な視点でTOC理論について著しているので、いくつかの本を読む場合には、重複も多く、用語も若干違うケースがあります。
ですので、『ザ・ゴール』『ザ・ゴール2』を読まれたくらいの方向けに、全体最適な視点で主要な概念・モデルについてサマリーとして纏めてみました。